この記事では、小説とラノベの違い、考慮すべき点、小説・ラノベを書くのに必要なことを解説しています。
こんな人に読んでほしい
- 小説とラノベの違いが分からず、どちらを書けばいいのか迷っている
- 自分の作品は小説なのかラノベなのか疑問
- 小説・ラノベの読者層が好むのは、どういうものなのかを知りたい
小説もラノベ(ライトノベル)も、文字を使って物語を読ませるという点では同じものです。
しかし書き方やターゲット層には大きな違いがあって、そこを見誤ると誰にも読まれない作品になりかねません。
この記事を読めば、あなたが書きたいジャンルの読者層が何を求めているのかがわかります。
そして書きたい物をただ書くだけでなく、しっかり読者に読んでもらえるような作品が書けるようになりますので、最後までお付き合いくださいませ。
ラノベは小説の一部

違いを解説する前に、小説はラノベの一部だってことは伝えておきますね
ラノベと一般的な小説の違いを調べる際、「小説 ラノベ 違い」で検索する人が多いです(有料ツール「ラッコキーワード」にて2025年2月調べ)。
つまり世間一般では「小説」と「ラノベ」は違うもの、という認識が強いんですよ。
なのでこの記事ではあえて「小説」と「ラノベ」の違い、という書き方をしています。
でも正確には「小説」という大きなカテゴリーの中に「一般文芸」「ライトノベル」という種類が存在するわけですね。
そこを「小説」と「ラノベ」の違いとしてSNSなどで発信すると、以下のようなツッコミがくるので要注意。

これ系の指摘、山ほど来てたぽよね

「小説」と「ラノベ」の分け方で全然通じるけど、気になる人はツッコミ入れたくなるわけですな
ということでこの記事では「小説」と「ラノベ」の違いと表現していますが、正確には「一般文芸」と「ラノベ」の違いとだけ、頭の片隅に置いといてください。
小説とラノベの定義

違いはなんとなくわかるぽよ
でも、はっきりとした違いが知りたいぽよね

というわけで早速、小説とラノベの違いから理解していきましょう
小説とは?
まずはラノベとの違いという観点から見た、小説の定義をお伝えしましょう。
小説は、文章を主体とした創作物語のことを指します。
純文学、ミステリー、SF、ホラーなど多くのジャンルが存在し、その表現方法も幅広いです。
しかしこの説明だけだと、ラノベとの違いはさほどないように感じますね。
では、さらに小説の特徴を上げていきましょうか。
小説の主な特徴
- 文芸的な表現が豊富で、比喩表現といった巧みな文章が多い
- 心理描写が重視される傾向にある
- 基本的に挿絵はほとんどなく、文章のみで構成される
- 内容によるけど、基本的に全年齢がターゲット層となる
ラノベとは?
ラノベは若年層向けの、エンタメ性が強い小説のことを指します。
特に10代から20代の読者層に向けて書かれることが多く、軽い文章で書かれ、親しみやすいキャラクターが出てくることが特徴ですね。
ラノベの特徴をざっと上げてみると、以下のような感じです。
ラノベの主な特徴
- セリフ以外の地の文も含めて、口語調の軽快な文章が多い
- キャッチーなタイトルが多い(「異世界転生」「俺TUEEE」など)
- アニメっぽいキャラクター性が強調される
- 挿絵がある(イラストがつくことで視覚的に楽しめる)
- エンタメ性が重視される(ストーリーがスピーディで展開が早い)
小説とラノベの5つの違い

どう違うか整理よろしくぽよ

書くときの注意点もついでにお教えしましょう
1. 文体・文章表現の違い
- 小説 → 文芸的な表現が多く、比喩や心理描写が豊富。
- ラノベ → 口語調が多く、軽快なテンポで書かれる。
端的に言えば、小説は少しお堅い、ラノベはノリが軽い文章って感じですね。
なので小説を書いていた人がラノベを書くと、ついクセで心理描写や巧みな文章表現を使ってしまいがち。
そういうのって、上手ければうまいほど文章も増し増しになっちゃう傾向にありますよね。
ラノベ読者は「そういうのいいから、早くストーリー進ませてくれ」と思ってます。
特にWeb小説では、その傾向が強いですね。
逆に小説の場合、キャラがしゃべっているような口調ばかりだったり、「ドーン」「バンバン」といったオノマトペの多用は、幼稚で文章表現が浅いと思われちゃいます。

例を見てみましょう
- 小説の場合の文章例
- 深淵に抱かれた森の中で、古びた城がその姿を隠していた。
城は年月の重みに耐え、風雨に晒されながらも、依然としてその荘厳さを保っている。
壁には苔が生えており、扉は朽ちかけていた。まるで過去の栄光を伝えるかのように、静かに佇んでいる。
この城の周囲を取り巻く森は、太古の昔から変わらぬ姿を保ち続けている。その木々は天を突くかのように高く、その枝葉は太陽の光さえ遮るほどに茂っていた。
地面は落ち葉で覆われ、足を踏み入れる者の足音を柔らかく吸収し、森の静寂を守っている。
この森の中を一筋の光が貫き、古城の一隅を照らし出す。
光は時間の流れを忘れさせるような、幻想的な雰囲気を演出していた。
しかしこの光景の中には、ただ美しいだけではない、何かを物語るような重厚さがあった。
それはかつてこの地を支配した者たちの歴史、喜びと悲しみ、栄光と衰退が、この静寂の中にも息づいているかのようだ。
- ラノベの場合の文章例
- その古城は森の奥深くに、ひっそりとたたずんでいた。
苔むした壁と腐りかけた板でできた扉が、いい感じに雰囲気出しまくっている。
城というより、もはやダンジョンだな。
どちらも異世界ファンタジーの世界観に存在する古城を描写していますが、文章の雰囲気はまるで違いますよね。
ちなみにですが、ラノベが軽い文章だからといって、文章力がなくても問題ないと思ったら大間違い。
分かりやすさや文章の繋がりといった基礎ができていないと、シーンのイメージもストーリーそのものも伝わりにくくなります。
要は小説とラノベのどちらを書くにしても、ターゲットとなる読者層にあった文体を書く技術が必要なわけです。
2. ターゲット層の違い
- 小説 → 活字が好きな、幅広い年齢層(全年齢対象)。
- ラノベ → 主に10代・20代の若年層や、アニメ好きのオタクなど。最近は30代以上をターゲットにした作品も増えてきた。
小説の読者層は、
文学好きで「上手い文章だなぁ」「なんだか考えさせられる」というような奥深い作品が好きな人や、がっつりサスペンスを楽しみたい人、ゆったりまったりカフェで読書したい人です。
映画やテレビで言うなら、邦画やドラマすかね。
ラノベの読者層は、
アニメや漫画が好きで、中二病男子の活躍、萌えや美少女が登場する作品が好きな人、気軽にストーリーを楽しみたい人、通勤通学のスキマで暇つぶししたい人です。
3. タイトルの傾向の違い
- 小説 → 短くて文学的なタイトルが多い(例:「ノルウェイの森」)。
- ラノベ → 長文タイトルが多い(例:「異世界でスローライフを目指します」)。
小説の場合は語呂が良かったり、テーマ性を含んでそうな感じがしたり、読むことでその意味を知るような、シャレたタイトルが多いです。
一方でラノベは、タイトルだけで作品の内容がある程度わかるものが多いですね。
ラノベの読者層は気軽に楽しみたい人がほとんどなので、ハズレを引いて時間を無駄にしたくないわけですな。
タイトルがあらすじのように長いのも、そのためです。
4. キャラクターの描き方の違い
- 小説 → 心理描写を丁寧に描く。
- ラノベ → キャラの魅力を視覚的にも強調。
小説の場合、登場人物の心理描写を巧みな文章表現で描きます。
着ている服や髪型だけでなく、その服装から読み取れる性格なども描写したり。
作品によっては、人物の描写に数ページ使うようなものもありますね。
ラノベの場合、しゃべり方などからどんな属性のキャラなのかを、読者も頭の中でイメージできています。
それに読者層はストーリーを気軽に楽しみたいので、長い心理描写は読むのがめんどくさいと感じるわけですね。
なので、人物の描写は長くても2~3行にとどめ、ストーリーをバンバン進めるのが一般的です。
5. 挿絵の有無の違い
- 小説 → 基本的に文章のみ。
- ラノベ → イラストがあり、キャラクターが視覚的に分かりやすい。
まあこれは小説の内容というより、出版されている本の内容に関する話ですけどね。
ラノベは最初のページに登場キャラのカラーイラストが入ってることが多く、挿絵も含まれてたりします。
だからキャラの容姿を文章で描写しなくても、イラスト見ればわかるわけです。
小説とラノベ、どちらを書けばいい?

自分が書きたい方を書けばいいっすよ

でも向き不向きはあるんじゃないのかぽよ

それについてはお答えしておきますか
小説に向いている人
- 深い心理描写や哲学的テーマ、リアル寄りな話を描きたい人
- 比喩や文学的表現を使うのが好きな人
- ラノベ以外の本もたくさん読んできた人
- 他人の文章を読んで、文章に対する批評が出来る人

最後の批評ってのは、どういうことぽよ?

文章が上手い、下手というのはなんとなくわかるもんじゃないですか
でもそれだけじゃなくて、具体的になぜ上手いのか、なぜ下手なのかを言語化できる人ですね
ラノベに向いている人
- アニメや漫画などの非日常的な作品、アニメっぽい立ったキャラが好き
- テンポのいい会話やキャラ同士の掛け合いを書くのが好き
- オタク層やラノベ界隈の流行りに敏感な人
- 流行りや好まれる作品の傾向をリサーチできる人

ストーリーだけでなく、好まれるキャラがどういったものなのか
そういうのひっくるめて、ラノベは流行り廃りの移り変わりが激しいんですよね

だからリサーチもできるほうがいいぽよね
ラノベ好きだけど「なろう系」は苦手。そんな人はコレ!
以下のような人っていませんか?
- 文章表現や心理描写が好きだけど、書きたいのはラノベっぽい作品
- 軽すぎる文章は微妙だけど、文学的な文章よりは読みやすくて軽い文章が好き
- ミステリー書きたいけど、本格ではなくアニメや漫画っぽいキャラを登場させたい
- ラノベは好きだけど、よく見る長いタイトルの、いわゆる「なろう系」は好きじゃないし書きたくない
上記のような人は「ライト文芸」をおススメします。
最近は小説とラノベの境界線もあいまいになってきて、心理描写もしっかり書くけど、リアルでは見かけないような癖のあるしゃべり方や性格をしたキャラが登場する作品も増えました。
例えば「ビブリア古書堂の事件手帖」「君の膵臓を食べたい」「アンデッドガール・マーダーファルス」とかが該当しますね。
なにを隠そう、私の好きなジャンルが「ライト文芸」なんです。

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まとめ
今回の解説内容
- 小説とラノベの定義
- 小説とは?
- ラノベとは?
- 小説とラノベの5つの違い
- 小説とラノベ、どちらを書けばいい?
- ラノベ好きだけど「なろう系」が苦手な人はコレ!

小説は、文章を主体とした創作物語のことぽよ

ラノベは若年層向けの、エンタメ性が強い小説のことを指しますね
小説とラノベの違いをまとめると、以下のとおり
1. 文体・文章表現の違い
- 小説 → 文芸的な表現が多く、比喩や心理描写が豊富。
- ラノベ → 口語調が多く、軽快なテンポで書かれる。
2. ターゲット層の違い
- 小説 → 活字が好きな、幅広い年齢層(全年齢対象)。
- ラノベ → 主に10代・20代の若年層や、アニメ好きのオタクなど。
3. タイトルの傾向の違い
- 小説 → 短くて文学的なタイトルが多い(例:「ノルウェイの森」)。
- ラノベ → 長文タイトルが多い
4. キャラクターの描き方の違い
- 小説 → 心理描写を丁寧に描く。
- ラノベ → キャラの魅力を視覚的にも強調。
5. 挿絵の有無の違い
- 小説 → 基本的に文章のみ。
- ラノベ → イラストがあり、キャラクターが視覚的に分かりやすい。
小説とラノベ、好きな方を書くのが一番ではありますが、向き不向きというのはあります。

小説を書くのに向いてる人は、リアル寄りの作品が好きで、文章表現や心理描写が好きな人ぽよ

ラノベを書くのに向いてる人は、アニメや漫画などの非日常的な話が好きで、流行りに敏感な人です
軽すぎる文章は苦手で「なろう系」は好きじゃないんだけど、でもアニメや漫画みたいな作品を書きたい。
そんな人は「ライト文芸」にするといいですね。
今はジャンルも多様化して選択肢も増えてるので、あなたに合っていて書きたいジャンルを見つけてみましょう。

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