【ミステリー小説の書き方】誰でもできる名推理シーン作り方3ステップ

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ミステリーの書き方

今回はミステリー小説が書きたい、書いている人に向けて、探偵が見事な推理力を見せつける「推理シーン」の作り方について解説します。

こんな人に読んでほしい

  • ミステリー、サスペンス小説が書きたい
  • 推理力のある探偵なんて作れる気がしない
  • 推理シーンが作れるようになりたい

この記事を読むことで、誰でも天才的な名探偵を作り出す方法、天才だって思わせるシーンの作り方がわかります。

そして、名探偵が天才っぷりをはっきするシーンを生み出すことができるようになりますので、ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

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名探偵の推理シーンは作者が天才じゃなくても作れる

名探偵って賢いぽよね
作者も賢くないと、名探偵なんてキャラは書けないぽよ

いや、それがそうでもないんですよ

確かに物語に登場する名探偵は、普通の人なら見逃しちゃうような違和感を見つけ出し、些細なことからでも真実を導き出しますね。

天才ぽよ
我には無理ぽよ

僕にも無理です

でも、些細なヒントや現場の違和感を考えて、探偵が見つけるように仕向けることならできます。

そう、ストーリーを動かすのは作者自身であり、名探偵もまた、作者の手のひらでコロコロされているにすぎないのです!

まさに神ぽよね

また、名探偵というのは豊富な知識も持っていますよね

だけど、その知識を作者が常備する必要はないんです。

ストーリーの題材になるものは、事前に資料を集めますよね。

その資料の中から「あ、これを探偵に語らせたら賢そう」っていうネタが見つかるはずなので、そういうのを、さも知ってて当然のように探偵に語らせればよいわけですね。

つまり、ストーリーの中の名探偵は真実を一瞬のうちに見透かすように描かれていますが、そのシーンは作者がたっぷり時間をかけて考えているってわけです。

推理シーンを作る3ステップ

作者が都合よくヒントや証拠品を用意して、それを探偵が鋭く言い当てるように仕向ければよいってことはわかってもらえたかと思います。

では、具体的にどうすればいいかっていうと、これはもう逆算の考え方が一番ポピュラーです。

どういうことぽよ?

つまり、推理させたい裏の事実を先に作っておいて、その事実に辿り着くヒントを後から考えるわけですよ

あとは、探偵がそのヒントを見つけるように仕向けるのです。

そして「小さなヒントから真実にたどり着きました」という流れにもっていけば、他の登場人物もさも「こんな些細なヒントも見逃さないなんて!」と名探偵の天才っぷりに驚きます。

読者にも「この探偵、天才だ」と言ってもらえるというわけですね。

推理シーンの作り方3ステップ

  1. 推理する事柄を決める
  2. 推理する事柄に導くための手がかりを考える
  3. 探偵役がその事柄を推理する手順を考える

密室トリックの作り方も、逆算の考え方で作ります
ご参考まで

例題で解説! 探偵の推理シーンを作ってみよう

手順だけ示されても、よーわからんでしょうから、例を使って解説していきましょう

状況を見ただけで真実を言い当てる推理シーン

外から家の様子を眺めただけで、その家の家族構成と家の中に誰がいるかを言い当てる。

私の書いたミステリーでこんなシーンがあるので、それを例にしてみます。

①推理・誘導する事柄を決める

まずは、探偵が言い当てる答えから先に考えます。

今回の例では、以下のような家族構成を言い当てることにします。

最終的に推理する真実

  • 家族構成は「父、母、娘」
  • 娘は成人を迎えて、すでに家を出ていて別居中
  • 父は車で外出中
  • 母が居間でテレビを見ている

②推理・誘導する事柄に導くための手がかりを考える

真実のヒントを今からつくるぽよね

「母が居間でテレビを見ている」
⇒テレビの音が外に漏れていれば、中に誰かがいるってことは分かるな
父は車で外出中
⇒車庫となるスペースがあるが、車がなく、そのスペースにエアコンの水が漏れた痕があれば、誰かが車で外出中だと分かるな
娘は成人を迎えて、すでに家の中にはいない
⇒ 女子が乗りそうな自転車が車庫スペースの脇に止めてあれば、通学用の自転車の可能性を導き出せるな
⇒ その自転車がさび付いていれば、長いこと使っていないことが予想できるな

状況を示す考え方としては、こんな感じです。

でも、この例だけだと、真実とは違う可能性も出てくるぽよ
車が車庫にないだけだと、もしかしたら母が車で出かけている可能性もあるぽよ

サビた自転車も、それだけだと自転車に乗らなくなっただけかもしれないぽよ
「娘が成人を迎えて家にいない」と言い切るには、根拠が弱いぽよ

そう、そういう風に別の可能性も否定できないってことを洗い出していくのも、手掛かりを考える肝です!

考え出した手がかりに対して真実とは別の可能性があれば、それを潰すための手がかりをさらに追加していきます。

車庫に車がないが、父ではなく母が車で外出中なのかもしれない
⇒外から聞こえてくるテレビの音が、おくさま方が好きそうな番組なら、父がお出かけ中の可能性が高い
⇒もしくは、単純に母が家に入っていくのを探偵役含めて見ていたので、出かけたのは父だ
自転車がサビてて使っていない様子
⇒二階の窓が二つあって、片方は中年女性が好きそうな柄のカーテン。
もう片方は若い女性が好きそうなカーテン。
中年女性が好きそうなカーテンの窓は、カーテンが閉じている。
若い女性が好きそうなカーテンの窓は、カーテンも窓もあけっぴろげ状態。
このことから、若い女性、つまり娘の部屋を掃除して喚起していることがわかる。
しかし、年頃の娘が外から丸見えの状態にするのは考えにくい。
母親が掃除していたとしても、娘の部屋を外から丸見えの状態であけっぴろげにするのは、デリカシーがない。

ということは!
娘の部屋は全然使われてなくて、久しぶりに掃除したから、あけっぴろげにしたんだ!

部屋の主もいないから、外から丸見えの状態でも抵抗はなかったぽよ!
ということは、娘はもう家には住んでいないってことぽよ!

という感じで、可能性を埋める手がかりをどんどん追加していくとよいでしょう。

③探偵役がその事柄を推理する手順を考える

②の工程で手がかりを出し切ったら、あとは探偵がその手がかりを、さもすぐに見つけました、そして全てが分かりましたって顔で推理させるようにすれば、推理シーン完成です。

本当は作者が一生懸命、時間をかけて考えた手がかりですけどね。

作者の心、探偵知らずぽよ

あと、②の工程で、「この手がかりだけでは、別の可能性もあるんじゃないか」っていうのを洗い出しましたよね。

それも、そっくりそのままワトソン役とか登場人物に言わせると、さらに推理シーンが盛り上がります。


ほら、サビた自転車があるでしょう
あれは持ち主がずっと使っていないからなんですよ

いやしかし、単に新しい自転車を使っていて、古いのは捨てずに放置しているだけじゃないかぽよ

では、二階の窓をよく見たまえ、ワトソン君
カーテンがあけっぴろげになっているね……


という感じですね。

心理を揺さぶりボロを出させるシーンを作る3ステップ

犯人がボロを出すように、探偵が話術でうまく誘導するシーンがありますよね

どうすれば作れるぽよ

これも逆算の考え方が有効なんですが、心理学なんて学んでいない僕ごときでは、とてもとてもそんなシーンを生み出すのはムリですわい

それじゃあ、黙ってるがいいぽよ

いやいや、ゼロから生み出すのは確かに無理ですが、過去の作品を参考にして自分の作品に取り入れることならできます!

こういったシーンを作る場合は、過去に読んだ作品で使えそうなやり方をアレンジさせるのが一番です。

ボロ出しシーンを作る3ステップ

  1. 既存作品のシーンを使おう、と心に決める
  2. 出させたいボロを決める
  3. 既存作品のシーンと似た状況を考えて、アレンジ

例題で解説! ボロ出させシーンを作ってみよう

例題1:加害者自らボロを出させるよう誘導

①既存作品のシーンを使おう、と心に決める

私の過去作品の中で、「弁護士のくず」っていう漫画でやっていた手法をアレンジして作り出したシーンがありますんで、そいつを例にしてみます。

「弁護士のくず」の、とあるお話の中で、こういうシーンがありました。

既存作品の使えるシーン

仲良く話をしようぜっていう素振りを見せて、会話を引き出してボイスレコーダーに録音

②出させたいボロを決める

いじめが関係したサスペンスを書いたことがあって、そのときにボロを出させるシーンを作ったんですよね

出させたいボロ

女子Aにいじめの事実を認めさせたい

③既存作品のシーンと似た状況を考えて、アレンジ

主人公の姉が女子Aにいじめを受けていたらしいことがわかり、女子Aを問い詰めるシーンがありました。

女子Aはいじめなんて記憶にございません、の一点張り。

そのとき、探偵役の少年が言います。

女子Aの好きな男子Bが、主人公の姉と仲よくしていたのが気に入らなかったんですよね

確かに主人公の姉は空気が読めないところがあるから、女子Aさんの気持ちもわかるなって思いました

女子Aの男子Bを好きだって思う気持ちは純粋なものだったはずですし

すると女子Aは、男子Bへの気持ちを誤魔化したいのと、そんな感情でいじめていたなんてことを周りに知られたくないあまりに、こう言います。

馬鹿じゃねえの? 何キモいこと言ってんだ! あいつをいじめてたのは、単にあいつがどんくさくてイラついてただけだし!

ということで、ボロを出しました。

そのボロをスマホで録音したってわけぽよね

例題2:言動だけで犯人だとアタリを付ける

①既存作品のシーンを使おう、と心に決める

子供の頃に読んだ江戸川乱歩の短編で、こんなのがありました

既存作品の使えるシーン

容疑者2人に、事件に関するたくさんの質問をします。

事件に関連する質問の中に、事件とは無関係な質問も混ぜています。

犯人なら事件と関係のある質問に対しては、事件に関係する回答は避けるだろう、というテストを行ったわけです。

犯人はこのテストの意図を熟知していて、事件と関係ある質問をされても、はぐらかさない答えが言えるよう、事前に練習します。

しかし、その練習をしたせいで、事件に関係ある質問に答えるまでの時間が早すぎるという結果になり、そこを探偵に見透かされるっていう内容です。

②出させたいボロを決める

では、似たようなボロ出させシーンを自分の作品にも用意しましょう

出させたいボロ

真犯人Aは自分が犯人だと怪しまれないよう、警察に質問攻めされたときを想定した受け答えを前日に予行演習していた

③既存作品のシーンと似た状況を考えて、アレンジ

ワトソン君が、真犯人Aに事件のことについて質問します。

「事件のあった夜、何をしていましたか?」
「被害者とはどんな関係でしたか?」
「事件当時のアリバイを証明してくれる人はいますか?」

こういった質問に、真犯人がすらすら答えます。

そのとき、ワトソン君の横で黙ってやり取りを聞いていた名探偵の目が光ります。

名探偵
名探偵

今日の朝は、何を食べたぽよ?

真犯人A
真犯人A

え?
えーっと……
確か、そうだ、おにぎり食べたぞ

 名探偵
名探偵

具は何ぽよ?

 真犯人A
真犯人A

え?
なんだっけ……
えーっと、確か……

事件とまったく関係ない質問をしだす名探偵。

さて、真犯人Aへの聞き込みも終わり、シーンチェンジ。

さっきはなぜあんなこと聞いたのかと、名探偵に尋ねるワトソン君。

 名探偵
名探偵

事件に関する質問を答えるのが、あまりにも饒舌で早すぎたぽよ
だから、無関係な質問でも饒舌なやつなのか試したんだぽよ
事件の夜のことよりも、ついさっき食べた朝食を答えるのが、断然遅かったぽよね

という感じで、既存のシーンをうまくアレンジすると、名探偵の天才っぷりが演出できます。

こういったシーンを作るのに、心理学とか心理テストの本を読むのもいいですが、既存の作品で「うまい!」って思ったシーンをアレンジするほうが、はるかに楽です。

特に私がおすすめするのが「弁護士のクズ」

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まとめ

今回の解説内容

  • 名探偵の推理シーンは作者が天才じゃなくても作れる
  • 推理シーンを作る3ステップ
  • 例題で解説! 探偵の推理シーンを作ってみよう
  • 心理を揺さぶりボロを出させるシーンを作る3ステップ
  • 例題で解説! ボロ出させシーンを作ってみよう

名探偵の天才を発揮するシーンを作るのに、作者が天才である必要はないぽよ

凡人の私どもが一生懸命考えた舞台やヒントを探偵が一瞬で見抜いたように書くだけで、天才っぷりが読者に伝わりますね

推理シーンを作る手順は、以下の3ステップぽよ

  1. 推理する事柄を決める
  2. 推理する事柄に導くための手がかりを考える
  3. 探偵役がその事柄を推理する手順を考える

逆算の考え方が基本ですね

先に推理で導き出す答えから作って、その答えに辿り着けるヒントを考えていきましょう。

考えたヒントで充分かどうか、そのヒントだけでは他の可能性も否定できないかもしれないってことを考えて、そういったものも潰せるヒントをさらに追加していくのです。

ボロを出させるシーンは、以下の3ステップで作るぽよ

  1. 既存作品のシーンを使おう、と心に決める
  2. 出させたいボロを決める
  3. 既存作品のシーンと似た状況を考えて、アレンジ

心理学にも詳しくないし、詳しかったとしてもその心理を上手く使ったシーンを考えるのは大変です

やはり既存の作品の上手いシーンをアレンジするに限りますね。

では、これらのことを実践してみて、天才的な名探偵の推理シーンを作り出してみてください。

おつかれさまでした

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