小説、ラノベのキャラ設定、上手く活かすためのエピソード作り方6選

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ストーリー基礎

今回はキャラクター設定を活かすためのエピソードの作り方について解説していきます。

こんな人に読んでほしい
  • キャラ設定を行ったのに、魅力的なキャラになっていない
  • キャラ設定をしっかり作りこんだのに、キャラが薄いと言われた
  • キャラを活かすためのエピソードの作り方について知りたい

せっかく面白いキャラ設定を作りこんだのに、その設定をストーリーの中で活かせていなければ、まったく意味がありません。

この記事を読むことで、キャラを活かすにはなにが必要なのか、キャラを活かすためにはどうすればいいのかがわかりますので、ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

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キャラを立たせるためにはエピソードが不可欠

魅力的なキャラを作るために、性格や信念、弱点といった項目を設定するわけですが、その設定を活かすためには、当然ながらエピソードが必要です。

どういうことぽよ

例えば「どんな強敵にも立ち向かう勇気を持っている」という設定があったとしても、強敵と出会わなければ、立ち向かう必要もないわけです

立ち向かう場面がなかったら、そいつが勇気を持っているかどうかなんて、わからないぽよね

ということで、キャラ設定を活かすためにどのようなエピソードを作ればいいかを、しっかり学びましょう。

1.性格をエピソードで活かす

キャラの性格を活かす場合、通常はストーリーを考えながら

「このキャラなら、こんなときどんなセリフを言うかな」
「どんな行動をとるかな」

という感じで、ストーリーの場面に合わせてキャラが動くようにするのがよいです。

「キャラが独り歩きする」という言葉がありますね。

作者が考えもしない行動をキャラがとったりするやつぽよ

それですね。
そうなったら、それはそれですごいことです。

ただ、ストーリーに合わせてキャラを動かしているだけだと、せっかく考えたキャラの性格が活かしきれていない状態になっていることが多々あります。

ちょっと何言ってるかわからないぽよ
キャラの性格を活かすって、どういうことぽよ

では、強烈な性格のキャラだらけの作品、ジョジョの奇妙な冒険を例にしてみましょう

イタリアマフィアの殺し屋チームに「ギアッチョ」というキャラがいます。

「ギアッチョ」はとにかくキレやすい性格をしています。

このギアッチョがキレやすい性格だということを、天才・荒木飛呂彦先生は次のようなエピソードで表現しています。

ギアッチョのキレやすさ爆発エピソード

行方をくらましたジョジョたちを探さなければならないギアッチョ。
やつらを探すために「根掘り葉掘り聞きまわる」。
ギアッチョは、この「根掘り葉掘り」という言葉にキレだします。

「根掘り葉掘り」の「葉掘り」は言葉的におかしい、「葉っぱが掘れるかっつーのよ!! この言葉ぁ超イラつくぜぇ」と言って、車をボッコンボッコン殴りつけるのです。

このシーンは笑ったぽよね

これほど「キレやすい」という性格を魅力的に活かしたエピソードがあるだろうか
いや、ない!!

ギアッチョとジョジョたちが戦うストーリーそのものは、以下のようにシンプルです。

  • バトルが始まって優勢になったり劣勢になったりしながら、最終的に決着がつく

これをストーリーだけ追って文章にしていった場合、読み返してみるとキレているシーンが少なかったり、キレるシーンにインパクトがなかったりします。

キレやすいという性格を活かすためには、「え? そんなことでもキレるの?」というような出来事をキャラの周りで起こして、めっちゃキレさせる、といったエピソードを用意しましょう。

2.欲求をエピソードで活かす

欲求はストーリーの軸になる設定です。

「世界を平和にするため」とか「金が欲しい」とかぽよね

まだ具体的じゃないですね

  • 「なぜ世界平和を望むのか」を掘り下げてみる。
    ⇒「大切な人たちが安心して暮らせるようにしたい」
     「自分自身が安心して暮らせる世の中じゃないと嫌」
     「画家になりたいのに、混乱した世の中だと夢どころじゃない」
  • 「金が欲しい」を掘り下げてみる。
    ⇒「毎日贅沢しておいしい物を食べたいし、高価な物をコレクションしたい」
     「お金の心配をしながら暮らすのは嫌。お金で将来の不安を抱えたくない」
     「娘の命を救うために金が必要」

という感じで掘り下げましょう。

そして、掘り下げた欲求を持つきっかけになったエピソードを作りましょう。

欲求を持つきっかけエピソード例

  • 「大切な人たちが安心して暮らせるようにしたい」
    ⇒過去に戦争で妻、親友、恋人を失ったというエピソードを用意する
  • 「自分自身が安心して暮らせる世の中じゃないと嫌」
    ⇒子供の頃から戦争に巻き込まれた生活を強いられてきた、つらい生活の様子をエピソードとして用意する
  • 「画家になりたいのに、混乱した世の中だと夢どころじゃない」
    ⇒自分の絵を、有名画家だった祖父に褒めてもらえた。絵にのめり込んでいたのに、今自分が持っているのは筆じゃなくて剣だ。

余談ですが、キャラの欲求が何なのかを意識して、ストーリーを作っていってください。

例えば主人公の欲求が『ヒロインと相思相愛になりたい』というものだったとします。

この場合、主人公とヒロインの恋愛がメインのお話になるはずです。

しかし、ストーリー展開がいろんな女の子とのハーレム展開になったら?

最初に設定していた主人公の『ヒロインと相思相愛』という欲求からズレていますね。

そうなると、読者としてはいったい何の話を楽しめばいいかわかりません。

最初で主人公の「ヒロインと相思相愛」という欲求が示されたら、その欲求がどのように満たされるか、欲求に対する障害をどのように乗り越えるのかを読者は期待します。

なので、いろんな女の子が出てきたとしても、ヒロインとの恋愛に対する障害になったり三角関係で恋愛が盛り上がるようにして、主人公の欲求がどのように満たされるのかを意識したエピソードを用意しましょう。

たしかに、ヒロインとの恋の行方が気になるのに、他の美少女たちとのハーレム展開ばかりが続いたら、読むのをやめるぽよね

3.信念をエピソードで活かす

信念というのは「これだけは譲れない」というもので、かなり重要な項目です

この信念こそがキャラの軸になると言っても、過言ではありません!

「欲求」も軸とか言ってなかったかぽよ

欲求はストーリーの軸、信念はキャラの軸ね

  • ワンピースのルフィー
    ⇒夢は絶対あきらめない
  • るろうに剣心の斎藤一
    ⇒悪・即・斬
  • ジョジョの吉良吉影
    ⇒静かに暮らしたい。ストレスを徹底排除する
  • ワンパンマンのめがね君
    ⇒目標に向かって前を向き続ける
  • かぐや様
    ⇒自分からは告らない

これが信念ですね

めがね君、カッコいいぽよね

私も大好きです!

さて、キャラ設定の段階で信念をちゃんと決めても、それをストーリーの中で表現できなければ印象に残りませんね。

信念はキャラの格好よさや狂っている感を出すことができる要素ですので、その信念を強烈に引き出せるエピソードを考えていきましょう。

「絶対あきらめない」の場合、もはや狂っているレベルであきらめないやつだってことを読者に示すことができれば、読者も「コイツすげぇ!!」ってなります。

「諦めない」をエピソードで活かす例
  • もはや1分後には爆発!
    誰もが諦めて死を覚悟している中、一人だけまったく諦めようとせず、爆発を止めようと奮闘。
  • 生まれつき魔力がない少年。
    世界トップクラスの魔法使いに「お前には才能がない」と言われようとも、迷いを見せずに「俺は世界一の魔法使いになる」と言い切ってみせる。
「悪・即・斬」をエピソードで活かす
  • 一生遊んで暮らせるほどの金をあげるから見逃してくれ、という悪党を迷いなく切り捨てる。
  • 自分の妻が人質にとられていようと、妻が殺される可能性を押してでも悪を斬る。
「静かに暮らしたい」をエピソードで活かす
  • あらゆる種目でわざと3位を取り、ヒーローにもならず落ちこぼれでもない、目立たないポジションを常にキープする
  • 仕事はそつなくこなし、しかし情熱的に打ち込まずに出世も求めない。
    誰からも妬まれない生き方を徹底する。

4.弱点をエピソードで活かす

キャラの弱点や欠点には2つの使い道があります。

  1. キャラの魅力を引き立てる
  2. ストーリーを盛り上げる

なんでもできる完璧なキャラに弱点があれば、親しみ感が増して魅力があがるぽよね

そういうことですね
しかし、せっかく設定した弱点や欠点がストーリーのどこにも出てこなかったら、意味ないですよね

なので、弱点や欠点を活かしたエピソードを、ストーリーの中に盛り込む必要があります。

すごく頭がいいけど美人に弱いという欠点がある探偵なら、美人が登場するエピソードを盛り込みましょう。

美人に弱いキャラのエピソード例
  • 美人が目の前にいると、照れたり格好つけたりして、推理力が並以下になる場面を作る
  • すべての状況が犯人は美人キャラだと示しているのに、分かっていても罠にはめらてしまう

このように、弱点や欠点にちなんだエピソードを盛り込むことでキャラに親近感が湧きますし、主人公がピンチに陥ったりしてストーリーを盛り上げることができます。

5.動機をエピソードに盛り込む

よく「キャラの動機づけ」をしっかりって言われますでしょ

例えば、ミステリーで犯人が殺人を犯す動機は絶対にありますよね。

それと同じで、戦いがあるのならキャラそれぞれの戦う動機がありますし、好きな人と結ばれたいなら、好きになった動機も結ばれたい動機もあるわけです。

この動機づけ、意外と忘れがちな作者さんも多いんじゃあないでしょうか。

語れるような動機もなく、常識や道徳的な理由でなんとなく戦っていたり、殺人事件に首を突っ込んだり、「あの人と絶対に結ばれたい」宣言をしたり。

「動機づけが弱い」とか言われることもあるぽよ

なんとなくで行動させると、そういった指摘をされちゃいますね

動機づけが弱いと、読者も感情移入しづらいんです。

なので動機につながるエピソードは、しっかり盛り込んでいきましょう。

「そんな理由があったのか! 分かるわ~、応援したくなる」と言ってもらうためぽよね

動機づけで一番やりやすいキャラの設定項目が「過去のトラウマ」ですね

例えば異世界転生して魔王と戦う、という行動の動機について考えてみましょう。

「英雄になってちやほやされたいから」という動機だと、まあ誰もが思うことなんで理解はできるんですけど、なんか弱いですよね。

そこで過去のトラウマとして「転生前はボッチで誰からも相手にされなかった」というエピソードを盛り込みます。

すると、もともとリア充なやつよりも数段「英雄になってちやほやされたい」という動機の強さが上がり、読者も感情移入できて応援したくなりますね。

ミステリーの殺人犯の動機も「恋人が殺されたから」だけだと、まあわかるってレベルです。

しかし、その殺された恋人と犯人の間に以下のようなエピソードがあったら?

復讐の動機が強まるエピソード例
  • 親ですら愛してくれなかった自分の価値を唯一認めて、自分のために泣いてくれた
  • いじめられていた自分を、唯一助けてくれて、しかもそれが理由でその人もいじめの被害者になった
  • めちゃくちゃな家庭環境に絶望して不良になった自分に唯一希望を与え、更生させてくれた

大事な人だってことが伝わるぽよね
そんな大事な人が殺されたら、復讐不可避ぽよ

こういった過去をエピソードとして盛り込むことで、読者の共感を高めましょう

6.神秘性は内面を見せると崩れる

これまで、さんざん弱点やら動機やらがキャラの魅力を引き立てると説明しましたが、1つだけ例外があります。

それが「神秘性」です。

何を考えているかが読めず、めちゃくちゃ手ごわそうだったり、底が計り知れないというキャラっているでしょう。

どうやら只者ではないってことだけはわかっているものの、顔すら不明なキャラ。

顔はわかっているんだけど、いつも余裕だったりふざけていたりで、どうやっても勝てそうにないキャラ。

例えば以下のようなキャラぽよね

顔すら見せない謎のキャラ
  • 名探偵コナンの「あのお方」
  • ワンパンマンのS級1位「ブラスト」
  • ダイの大冒険の「第魔王バーン」
姿は現しているが、つかみどころがない強敵
  • 金田一少年の事件簿の「地獄の傀儡子」こと「高遠遥一」
  • 呪術回戦の「五条悟」
  • ハンターハンターの「ヒソカ」

感情移入は全然できませんが、ものすごく魅力的なキャラですよね。

これが神秘性というやつです。

バトルだけでなく、ミステリーやサスペンス、ヒューマンドラマや恋愛でも、神秘性によって読者の興味を惹きつけるキャラは存在します。

漫画家の浦沢直樹先生の作品「モンスター」に出てくるヨハンやフランツ・ボナパルタ、20世紀少年のトモダチ。

「ゾンビランドサガ」のアイドルプロデューサー・巽幸太郎もなかなかの神秘性を持っていますね。

もちろんこれらのキャラにも、他のキャラと同じように信念や弱点や欲望といったものが存在します。

しかし、そういったものが明らかになったとき、キャラの神秘性が薄まっていきます。

なんだかんだ、同じ人間、同じ生き物なんだなって感じになるぽよね

キャラの設定をエピソードによって活かすことは大事ですが、キャラ設定が明かされることによって神秘性がなくなるということも覚えておきましょう

特に弱点とか過去のトラウマみたいな弱さが見えると、神秘性が崩れそうぽよね

そういったものを明かすタイミングをいつにするか、作者の腕の見せ所です

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キャラ設定の記事はたくさんあるぽよ

参考にするといいぽよ

まとめ

今回の解説内容
  • キャラを立たせるためにはエピソードが不可欠
  • 1.性格をエピソードで活かす
  • 2.欲求をエピソードで活かす
  • 3.信念をエピソードで活かす
  • 4.弱点をエピソードで活かす
  • 5.動機をエピソードに盛り込む
  • 6.神秘性は内面を見せると崩れる

キャラ設定はあくまでも準備段階、キャラ設定を活かすにはエピソードが不可欠ぽよ

どんなエピソードがあればキャラの設定が活きるか、を考える必要があるのですね

通常はストーリーを作りつつ、このキャラの性格ならどう動くかを想像しながらキャラを動かすぽよ

ただ、ストーリーを作り終えた後、キャラの性格が活かせているかはチェックするようにしましょう

いまいちキャラの性格が伝わるエピソードがないなって思ったら、キャラの性格を強調するエピソードを足してみましょう。

欲求はストーリーの軸になるぽよ

キャラが何をしたいのか、何を満たしたいのかによって、物語が動き出します

ストーリーありきでキャラの欲求をおざなりにしていると、このストーリーは何が言いたいのか、何がしたいのかがよくわからない作品にもなりかねません。

キャラの欲望がストーリーを動かしているかをチェックしましょう。

信念はキャラの軸になるぽよ

キャラが信念を貫く描写をしっかり描くことができれば、読者に強烈な印象を与えることができます

キャラの信念が伝わるエピソードが存在しているかをチェックしましょう。

弱点はキャラの魅力を引き立てたり、ストーリーを盛り上げたりできるぽよ

すべてを完璧にこなし、何事にも動じないキャラに読者は感情移入できません

どんなヒーローにも1つくらい弱点や欠点、心の悩みを抱えているものです。

キャラの行動には動機づけが必要ぽよ

動機が弱いとキャラの印象も薄くなりますし、感情移入しづらいです

キャラの行動の動機づけができているか、常識レベルの薄い動機になっていないかをチェックしていきましょう。

キャラの内面をあえて表に出さないことで、神秘性という魅力を出すこともできます

ラスボスや謎の人物といったキャラは、あえて内面を隠すことで神秘性を出していきましょう。

では、キャラの設定を引き立てるエピソードをしっかり盛り込んで、魅力的なキャラが動き回るおもしろい作品を生み出してみてください。

おつかれさまでした

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