この記事では人気の出やすい異世界系ラノベの「第二章以降のエピソード」で使えるストーリー構成テンプレートその3、「組織を助けるパターン」をお届けします。
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異世界系ストーリーテンプレートとは?
お届けするテンプレートは、同一のテーマを持った異世界転生、転移系の人気作品を紐解いて共通点などを洗い出し、起承転結の型にはまるよう整えたものです。
必ずしもこのテンプレートが異世界転生、転移系の全ての型と一致するわけじゃないぽよね
そうですね
だから、テンプレの流れを組むもよし、テンプレートを一部または大部分を変化させてオリジナリティを出すのも自由です
でも、オリジナリティの出し方には気をつけないとだめぽよ
その理由はこの記事で語ってるぽよ
異世界系ストーリー・3種類の構成
おさらい
チート能力で活躍する異世界系の作品の多くは、大きく以下の3種類のテンプレで作られています。
- 「第一章」チート能力で事件を解決し、今後の活躍の方向性を示すテンプレ
- 「第二章以降のエピソード」チート能力で事件を解決する小粒エピソードテンプレ
- 「壮大スケール」国同士や種族間の争いの中でチート能力を駆使し、活躍するテンプレ
今回は『2「第二章以降のエピソード」』の「組織を助けるパターン」のテンプレをお届けぽよ
「組織を助けるパターン」テンプレの主なストーリー展開
組織というのは、
- 近隣に住み着いたモンスターの脅威にさらされた「村」
- 王の圧政に苦しみ、仕方なく「盗賊団」に成り下がった元村人たち
- 邪悪な魔術師の呪いによって閉じ込められた「エルフの一族」
- 覇権争いに巻き込まれて命を狙われている王子の「護衛兵たち」
などなど、固定の一人ではない、ある組織を指します。
組織を助けるストーリーの流れは以下の通り。
「問題を抱えた組織との遭遇」⇒「主人公がチート能力で助ける」⇒「組織からの賞賛を得る」
なんか、過去の記事で紹介していた「美少女を助けるテンプレ」とあんまり変わらないぽよ
実はそのとおり
「第二章以降のエピソード」テンプレはなぜ似通うのか
異世界系のストーリーで求められるのは爽快感です
主人公がチート能力で活躍して周りから賞賛されたり、美少女に慕われたりするぽよね
そう!
そして賞賛や好意は、その対象の人物の問題を解消してあげることで得られます
ストーリーの入り口は「問題発生」、出口は「問題解決」となるので、広い意味で言えばどんなエピソードでも似てくるわけですね。
テンプレはいわば異世界系ストーリーの土台そのもの。
土台を崩すと、異世界系の醍醐味が一気に失われます!
- ストーリーの結末をバッドエンドにしてみた
- 実は主人公こそが問題を起こしていた張本人でした
こういったストーリー展開は、異世界チート系を好む読者からは求められていません。
特になろうやカクヨムなどのWEB小説は、その傾向が強いです。
よって、土台を崩すようなオリジナリティの出し方ではなく、
テンプレのストーリー展開の範囲内で、どのようにオリジナリティを出すかを考えていくほうが得策と言えるでしょう。
「第二章以降のエピソード」テンプレ③ 組織を助けるパターン
では「チート能力で大活躍」する異世界系ラノベで使える「第二章以降のエピソード」テンプレ(組織を助けるパターン)をお届けします
# | 工程 | ストーリー展開 | チェック内容 |
---|---|---|---|
1 | 起 | 問題を抱えた組織が登場する | その問題は主人公以外に解決することは難しい状況か |
2 | 承 | 問題を解決するため、主人公が動き出す | 問題解決の最中、主人公がより感謝されるエピソードになっているか |
3 | 転 | 組織の問題を解決する | チート能力や現代の知識を上手く使った問題解決方法になっているか |
問題解決が主人公の力によるものになっているか | |||
組織の人間が、主人公のチート能力を見て驚くシーンがあるか | |||
4 | 結 | 組織からの賞賛、信頼を得る | 組織からの賞賛、信頼を得る描写が存在するか |
後のストーリーに関連する要素があるか(任意) |
テンプレートの使い方
- 「ストーリー展開」の記載内容に沿った展開を考える。
- 考えた展開が「チェック内容」に書かれたことを守れているか、チェックする。
- 守れていなければ、チェック項目をクリアできる展開を再検討する。
クリアできなくても問題ない理由があれば、それはそれでOK(代替え案を用意するなど)。
「組織を助けるパターン」テンプレ使用例が分かりやすい作品
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「第二章以降のエピソード」テンプレ③ 組織を助けるパターンの各項目について徹底解説
では、それぞれのテンプレ項目とチェック項目について細かく見ていきましょう
起:問題を抱えた組織が登場する
まずは問題を抱えた組織と関わるきっかけがなければ始まりません。
きっかけって、どうやって作るぽよ?
あまり深く考える必要もないですよ
例を見てみましょう
- 主人公の活躍の噂を聞きつけた村人の代表が、主人公に助けを求めてくる
- 旅の途中で、問題を抱える村に立ち寄った
- 旅の道中、盗賊団に襲われた。しかし、どうも動きが素人だったり子供まで混ざっていたりと、訳ありっぽい
- ある町に魔王軍が攻めてくることがわかり、助けるためにその町へ向かう
どれも既視感あるぽよね
その組織が抱えている問題がなんなのかによって、主人公が関わるきっかけも変わってきます
チェック1:その問題は主人公以外に解決することは難しい状況か
主人公が活躍するストーリーなので、主人公じゃないと解決が困難な問題になっていることが望ましいですね
主人公なら、どんな問題でも解決してあげればいいぽよ
まさにそれも大事なことですね
「どんな問題でも解決してあげる」
これを際立たせる問題になっているかってことを意識するとよいです
ちょっと何言ってるかわからないぽよ
ではまず、主人公にしか解決できない問題っていうのは、大きく分けて2種類あるってことを理解してください。
- 主人公のチート能力でないと解決が困難
- 主人公以外、助けてくれる人がいない
- 新種の毒に侵された村人たち。
解毒が不可能と思われていたが、主人公のみチート能力で解毒剤の精製が可能。 - 町に迫りくる魔王軍。
その界隈で対抗できるのはステータスチートの主人公のみ。
- 圧制に苦しみ、盗賊団へと堕ちた村人たち。
そんな盗賊団を助けてくれる人なんて、主人公以外にはいなかった。 - 近隣の魔物に困った貧乏な村人たち。
村人全員が必死にかき集めて作った、討伐のための資金。
しかし、そんなはした金でも助けてくれる人なんて、主人公以外にはいなかった。
そういえば美少女助けるパターンでも、同じようなこと言ってたぽよね
そうですね
誰を助けるパターンであれ、これを意識するだけで主人公の格好良さが際立ちます
たっぷり感謝やお礼の品がもらえたり、主人公を祭り上げる祝杯もやってもらえそうぽよ
そういうの、大事ですよねえ
承:問題を解決するため、主人公が動き出す
村人のため、義賊のため、騎士団のため、巨悪に踊らされた小悪党どものため。
いざ、モンスター退治へ動くぽよね
その他、色々な問題の解決に向けて、主人公、動きます!
チェック1:問題解決の最中、主人公がより感謝されるエピソードになっているか
どうすれば、より感謝されるぽよ?
村人たちの解毒
⇒「絶対に助ける、安心しろ!」と、優しい声かけをする
魔王軍の猛攻
⇒他の強い騎士団がレベル上げ目的のモンスター退治ばかりに気をとられているなか、主人公だけは襲われている町の住人たちの安全確保にも気を配っていた
盗賊団に成り下がった村人たちを助ける
⇒主人公のスキルで盗賊団のステータスを向上。
圧政に苦しむも、権力に逆らう力を持たなかった彼らに、義賊として戦える力が!
これは状況によって、より感謝される行動がとれる場合もあれば、単にモンスターさえ退治してしまえば感謝されまくりな場合もありますよね
なので、より感謝されるエピソードが盛り込めないかを考えてみましょう。
検討の結果、単純に問題解決さえすれば大きな感謝が得られるのであれば、それでOKです。
転:組織の問題を解決する
チェック1:チート能力や現代の知識を上手く使った問題解決方法になっているか
やはりチートで活躍するお話なので、チートで解決しなきゃテーマがブレますね
美少女助けるパターンでも同じ項目があったぽよ
どんな問題を解決するにせよ、主人公が持つ強みを上手く活用しましょう。
チェック2:問題解決が主人公の力によるものになっているか
これも美少女助けるパターンにあったぽよ
問題解決のために仲間たちと行動していたとしても、最後の決め手は主人公になっていることを意識しましょう。
壮大なストーリーの合間に登場した中ボスを倒すのならともかく、一つの章で完結するエピソードなら、これは必須項目です。
漫画を投稿していたころの私の話ですが、最後の決め手が主人公じゃないストーリーを作ろうものなら、編集さんから必ず指摘くらってました
途中の展開がどうあれ、最後は主人公に華を持たせましょう。
チェック3:組織の人間が、主人公のチート能力を見て驚くシーンがあるか
「能ある鷹は爪を隠す」とは言うものの、やはり自分の力は見せびらかしたいですよね
チートを目の当たりにした周りの驚きの反応は、主人公を通じて読者に爽快感を与えるのです。
「能ある鷹の爪をうっかり見せる」ぽよね
見せびらかすつもりじゃないけど、チート能力うっかり見られちゃった。
そんなにすごいことやったつもりはないけど、そんなに驚かれて皆さんどうしました?
この文章だけ見ると、なんか無意識に嫌われるタイプな気がするぽよね
私もそう思いますが、これを天然でやらかして、それでいて周りからの賞賛、絶賛、感謝をしっかり得られるのが異世界の主人公です
嫉妬するのは「オラついた雑魚キャラ」の役目ぽよね
そいつらも軽くあしらって、さらに周りからの賞賛を得る無限賞賛ループ
こんな思いができるなら、異世界キターーーーーってなるのも分かるぽよ
結:組織からの賞賛、信頼を得る
チェック1:組織からの賞賛、信頼を得る描写が存在するか
一つの組織を助けるために動き、見事解決してくれた主人公には、組織からの賞賛と感謝の声が待っているはずです
その描写がしっかりできているかってことぽよね
「あんたがいなかったら、俺たちは死んでいた。本当にありがとう!」
「ありがとうございます、あなたは英雄です!」
「ありがとう、お兄ちゃん! また遊びに来てね、絶対だよ」
「私らみたいなもんに手を差し伸べてくれるなんて、あなた様は神のようなお人だ」
こんなこと言われたら気持ちいーぽよね
これをさほどの努力や苦労なく味わえるのが、異世界チートの醍醐味ですよ
なので、こういった気持ちよさを味わえるシーンが盛り込まれているかをチェックしましょう
チェック2:後のストーリーに関連する要素があるか(任意)
エピソード単体で完結して、それでこの話はおしまい。
後のストーリーにはなんの影響もありません。
まあ、そういったエピソードにしちゃってもいいんですけど、できることなら後のストーリーにも影響する要素を持たせておきたいものです。
そうかもだけど、どうすればいいぽよ?
難しく考える必要はありません
以下のようなものをラストに持ってくればよいですね
- 主人公を慕う美少女、信頼できる仲間、忠誠を誓う部下などが増える
- 助けた組織そのものが今後の主人公をバックアップ
- 今後の活動の助けとなるキーアイテムを入手
- 問題を意図的に起こした黒幕的な存在がいることが分かる、もしくはそういった疑いがある
- 実は解決した事件の一部が後の伏線になっている
必須とまではいかないですが、こういった要素がエピソードに盛り込めないかをチェックしましょう
まとめ
今回は「第二章以降のエピソード」テンプレ(組織を助けるパターン)をお届けしました。
# | 工程 | ストーリー展開 | チェック内容 |
---|---|---|---|
1 | 起 | 問題を抱えた組織が登場する | その問題は主人公以外に解決することは難しい状況か |
2 | 承 | 問題を解決するため、主人公が動き出す | 問題解決の最中、主人公がより感謝されるエピソードになっているか |
3 | 転 | 組織の問題を解決する | チート能力や現代の知識を上手く使った問題解決方法になっているか |
問題解決が主人公の力によるものになっているか | |||
組織の人間が、主人公のチート能力を見て驚くシーンがあるか | |||
4 | 結 | 組織からの賞賛、信頼を得る | 組織からの賞賛、信頼を得る描写が存在するか |
後のストーリーに関連する要素があるか(任意) |
ストーリーの流れは
「問題を抱えた組織との遭遇」⇒「主人公がチート能力で助ける」⇒「組織からの賞賛を得る」
とい一つの道筋になっています。
このテンプレがすべての作品に共通するわけではありませんが、様々な異世界チート系の作品に当てはまるテンプレになっています。
あなたの異世界系ストーリー作りの助けになれば、幸いです。
おつかれさまでした
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