今回は小説を書き始めの初心者向けに、ストーリーの作り方、考えるときのコツについて説明します。
- 小説を書きたいけど、ストーリーが全然思いつかない
- 書きたいものはあるけど、話を膨らませられない
- ネタが尽きてきたので、とっかかりが欲しい
この記事を読むことでストーリーの作り方とコツがわかり、自らストーリーが生み出せるようになりますので、ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
ストーリー作りは1つの材料から
まず最初に、ストーリーはただぼんやり考えてもなかなか出てこない、というお話をします。
例えば料理をしてください、と言われてフライパンだけを渡されたとします。
材料は何を作るのか決めてから調達してください。
そんなこと言われても
何つくればいいんだ?
ってなりますよね。
では、フライパンと一緒に、何かしら具材を渡された場合はどうでしょう。
各段に何かしらの料理が連想しやすくなるはずです。
じゃがいもを渡されたら、カレーはどうだろう、肉じゃがというのもありだな。
そこからさらに考えが進み、他にこんな材料が必要だ、こんな隠し味もしてみよう、といったように次々とイメージが湧いてきますよね。
ストーリーも同じで、ストーリーを考えようと思うだけでは何も浮かんできません。
そこで、まずはストーリーを連想するための材料を一つ用意するのですね。
材料1.自分の体験や経験
誰しも恋をした経験があるでしょう、ハマっている趣味があるでしょう。
- 部活は何をしていましたか
- 社会人なら職業は何でしょう
- 趣味は何でしょうか
そういった自分の持っている体験そのものを元にストーリーを考えるやり方です。
趣味や特技、職業などは間違いなくそのジャンルの知識やネタが頭の中に蓄積されてるでしょうから、ストーリーの土台としてはこれ以上のものはないのです。
また、映画やドラマ、小説に漫画、これらを読むことで物語を疑似体験することができますね。
実体験ではない、この疑似体験もまた、立派な体験なのです。
小説家や漫画家は自分の人生を切り売りしている職業だと言われたりします。
つまり自分の体験してきたことをネタにするわけですよ。
では、この体験や経験から話を膨らませる方法についてですが。
例えば恋の失敗体験なんかがあれば、それを成功したパターンで書いてみるというのはいかがでしょう。
ちょっと私の話になりますが、私は人見知りが激しかった高校時代、珍しく意気投合してお話に花を咲かせた女子がいました。
ですが、そのあと友達から
珍しく女子と話してるかと思ったら、あいつかよ
って言われちゃって。
それを言われて以来お話をすることはなかったです。
その子は目立たないタイプの女子で、その女子の容姿とかではなく、イケてないグループに属している雰囲気の女子としか仲良くできない自分が恥ずかしいという気持ちになってしまったのですね。
私自身がイケてないグループに属していたくせに、そんなことを思ってしまうのも、若い頃にはありがちな心理ですかね。
私の話はさておき、現実ではここで終わった話ですが、ここからさらに膨らませてみたりします。
- せっかく仲良くなった女子を避ける主人公だったが、その子ともう一度話をしたいと思っていた
- そんなとき、偶然その子に出くわし、さらに周りには友達もいない
- 絶好のチャンスだと思って、勇気を出して話しかけてみた主人公だったが、
「私…暗いから…私と話していたら、我那覇くんまで変な目で見られちゃうから…」
なんてことを涙ぐんだ声で言われちゃう - 友達から言われた「珍しく女子と話してるかと思ったら、あいつかよ」っていう言葉を柱の陰でその子が聞いちゃったことを知る
- 主人公は周りを気にするという弱い心を乗り越えて、その子と仲良くなるために行動してみる
みたいに、二人の恋が盛り上がりそうなイベントを考えていきます。
学園の恋愛なら、クリスマスやバレンタインだけでなく、文化祭や体育祭、卒業式など、恋が動き出しそうなイベントは沢山ありますよね。
ちなみにそうして生まれたキャラが、こんな感じの娘。
さてさて、どういうイベントを考え、そのイベントで何が起こるか、それを考えるヒントは物語の基本構成の中にあります。
この図をご覧ください。
シンデレラ曲線と呼ばれる、物語における主人公の心の状態を表した図です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
①シンデレラ曲線で見てみますと、物語の序盤は主人公の心はマイナスの位置にあります。
例えば主人公が内向的な自分を気にしていたり、モテない、彼女が欲しい、仕事が上手くいかない、勇者に憧れてるけど自分はまだまだ弱い、そういった悩みを持っている状態ですね。
②そして色々な出来事や事件が起きることで、主人公はさらに葛藤したり落ち込んだりして、心はさらに下り坂です。
しかし悩み苦しんでいく中で成長していき、自信を持ったり彼女ができたり強くなったりして、心がプラスの方へと向かいます。
③クライマックスではかなりプラスだった心の状態が、一気にマイナスへ落ちます。
クライマックスは最高の盛り上がりを見せる部分ですよね。
つまり成長した主人公が最大の難関に立ち向かい、かつてないピンチに陥るわけです。
④そのピンチを乗り越えて、見事に解決することで、主人公の心は一気に最大級のプラスへと昇りつめます。
ここまでの説明で分かるとおり、シンデレラ曲線はまさに起承転結の物語構成を主人公の心情の変化で表した図なのですね。
物語のイベントを考えるとき、
- どんなことが起きれば主人公をさらに悩ませることができるか
- その出来事を解決したときにどのように主人公の心が成長するか
このようなものを考えるとよいでしょう。
主人公の心の変化を意識した出来事やイベントを考えていきましょう
材料2.登場人物
ストーリーは全然浮かばないけど、こんな登場人物を登場させたいということもあるかと思います。
自分が考えたカッコいいキャラや美少女、中二病心をくすぐる能力者、日々悩めるサラリーマン。
先に考えていたキャラクターに、こんなかっこいい台詞を言わせたい!
こんな必殺技をさせてみたい!
こんなことをさせてみたい!
というものを想像して、どういう事件が起きたらそのキャラクターがやらせたいことをやってくれるか。
という風に考えまてみましょう。
ではちょっと例を見てみましょう。
「別に〇〇じゃないんだからね」
試しに、ラノベでよく見るツンデレ美少女にこんな感じのセリフを言わせてみましょうか。
まず、何の接点もない憧れの美少女が、いきなりボッチな主人公にそんなことを言ってくれるわけはありません。
でもベタですが、美少女が悪そうな男子に絡まれているところを主人公が勇気を出して止めに入ったら?
ボッチな僕は確実にボコボコにされるわけですけど
と言いつつも、間違いなく美少女の中の気になるアイツになれるでしょう。
はい、下準備はできました。
例えばこういうの、どうでしょう。
傘を忘れて雨宿りしているところに傘を持ったツンデレちゃん登場。
ツンデレちゃんの傘の中に入れてもらって二人並んで歩けちゃいますね。
と、こんな感じでストーリーをつなぎ合わせていくわけですね。
そしてさらに妄想をかきたてながら、完結まで考えていきましょう。
まとめ
今回はストーリーの生み出し方、考えるときのコツについて説明しました。
ストーリーは何もない状態からぼんやり考えていても、なかなか思いつきません。
なんでもいいから、まずは材料を一つ用意しましょう。
まず「自分の体験や経験」という材料がありますね。
恋愛経験や失敗体験、サッカーや野球、将棋にゲームといった趣味、仕事や社会活動などを元にストーリーを生み出すわけです。
ストーリーの土台として、一番いい材料ですね。
「登場人物」という材料から考える方法もありました。
思いついた登場人物にこんなことをさせたい、こんな台詞を言わせたい、ということを元に、どうすれば登場人物がそれをやってくれるのかを逆算してストーリーを考えてみましょう。
他にも材料は存在しますが、それは「その2」へ続きます。
おつかれさまでした
コメント