今回はミステリー小説が書きたい、書いている人に向けて、ミステリー小説におけるプロットの作り方について解説します。
こんな人に読んでほしい
- ミステリー、サスペンス小説が書きたい
- 伏線回収漏れや破綻、矛盾などがないストーリーを作りたい
- ミステリーは複雑でまとめるのが難しい
ミステリーやサスペンス小説は謎解きこそが醍醐味なので、他のジャンルに比べて複雑になりやすく、ストーリーの破綻や矛盾が起こりやすいです。
なので、どのジャンルよりも細かいプロットが必要になってきます。
この記事を読むことで、ミステリー小説におけるプロットの作り方が分かります。
そして、破綻や矛盾のないプロットに仕上げることができるようになりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
ミステリーにおけるプロットの重要性
どんなジャンルでも、ほぼ必ずミステリー要素がある、と言われているのはご存知ですか?
宇宙の果てを知らないように、そんな話知らないぽよ
例えばバトル漫画だったとしても、敵が何を企んでいるかが謎だったり、能力バトルならなぜ能力が存在するのかといった謎があったりしますよね。
その謎が少しずつ明らかになっていくのも、ストーリーを面白くするのにすごく重要な要素なんです。
恋愛でもファンタジーでも、そういった謎が必ず存在します。
ただ、ミステリーは謎解きそのものを楽しむのがメインなので、1つのストーリーの中で解いていく謎の数が他のジャンルに比べて、とにかく多いです。
だから、他のジャンルと同じ感覚で簡単にプロットを作ってしまうと、伏線を貼り忘れたり回収し忘れたり、ストーリーに矛盾が起きたりしやすいのです。
ミステリーやサスペンスは他のジャンルよりもプロットが大事ってことぽよね
そゆこと
ちなみに一般的なプロットの作り方は、以下の記事でも解説しています。
ミステリーのプロット作成4ステップ
ミステリーのプロット作成手順は以下のとおり。
- ステップ1:事件の裏側のプロットを作成する
- 犯人の動機、過去の出来事など、事件の裏側の視点でのプロットを先に作る
- ステップ2:ストーリーのプロットを作成する
- 事件の裏側のプロットを元に、読者から見えるメインストーリーのプロットを作る
- ステップ3:ストーリーのプロットをチェックする
- 事件の裏側プロットを元に、解かれていない謎や回収していない伏線が存在しないかをチェックしていく
- ステップ4:文章を書きながらプロットを微調整
- 小説を書いている途中、書き終わった後もストーリーに追加や変更があればプロットに反映し、変更したことによる新たな矛盾などが出ていないかをチェックする
ステップ1:事件の裏側のプロットを作成する
事件の裏側って、どういうことぽよ?
例えば、こういうやつ
事件の裏側とは
- 犯人の動機
- 被害者や容疑者たちの関係性
- 事件が起こるきっかけとなった過去の出来事
- 犯行に使われたトリックの全貌
プロットってストーリーの流れをまとめたものじゃないのかぽよ
事件の裏側も本編のストーリーで明らかになっていくから、普通のプロットと別で作るのは二度手間ぽよ
ミステリーはストーリーの中で徐々に謎を解いていくものだし、解かなくてはいけない謎も1つじゃないんですよ。
だから事件の裏側、つまり「解くべき謎」を先に作っておかないと、ストーリーをめとめるのが困難なんです。
ということで、まずは事件の裏側プロットを作成しましょう。
裏側プロット作成① 裏側で起きた出来事を洗い出していく
まずは思いつくまま、裏側で起きたことや犯人の動機などを洗い出していきましょう。
洗い出し例
- アンダーは極悪人ばかりを集めた刑務所に収容されている。
アンダーはドルトン刑事を殺害した容疑で逮捕された。 - 本当はドルトン刑事を殺害した真犯人は、ドルトン刑事の相棒だったフォーシュン刑事。
- ドルトン刑事が殺害されたとき、偶然居合わせたのがアンダーだった。
- アンダーは追い込まれたかわいそうな境遇にいる自分に酔い、性的興奮を覚える変態。
フォーシュン刑事はアンダーの性癖を熟知していて、それを利用してアンダーに犯人役を強要し、身代わりにする。 - 身代わりを喜んで引き受け、逮捕されたアンダー。
- しかし、アンダーが真実を喋ってしまうかもしれないと考えたフォーシュンは、アンダーを監視するために刑事をやめて、看守へと転職した。
- フォーシュンがドルトン刑事を殺した動機は、麻薬横流しがバレてしまったこと。
裏側プロット作成② 裏側で起きた出来事を時系列に並べる
では、裏側プロット作成①で洗い出した出来事を、時系列に並べてみましょう。
時系列に並べ替え
- 麻薬横流しをしていたフォーシュンだったが、そのことをドルトン刑事に感づかれてしまう。
フォーシュンはドルトン刑事を廃工場に呼びつけ、そこで殺害する。
殺害方法は? - 殺害した現場に、アンダーが現れる。
なぜ廃工場に現れたのか? - アンダーは追い込まれたかわいそうな境遇にいる自分に酔い、性的興奮を覚える変態。
フォーシュン刑事はアンダーの性癖を熟知していて、それを利用してアンダーに犯人役を強要し、身代わりにする。
なぜフォーシュンはアンダーの性癖を熟知していたのか? - アンダーはドルトン刑事を殺害した容疑で逮捕され、極悪人ばかりを集めた刑務所に収容される。
- 身代わりを喜んで引き受け、逮捕されたアンダー。
- しかし、アンダーが真実を喋ってしまうかもしれないと考えたフォーシュンは、アンダーを監視するために刑事をやめて、看守へと転職した。
並べ替えるとき、時系列の文章も自分が分かりやすい形に修正してもいいですよ。
確かに、例だと洗い出したときと並べ替えた後で、文章が違ってるぽよね
また、並べ替えながら足りていない部分があれば、課題としてメモしていくとよいです。
上記の例の赤文字が、課題ですね。
裏側プロット作成③ 課題の対策案を考えて裏側プロット完成
②で課題もメモしていましたよね
それをどうするか決めて、完成させるぽよね
課題を解決させて裏側プロット完成
- 麻薬横流しをしていたフォーシュンだったが、そのことをドルトン刑事に感づかれてしまう。
フォーシュンはドルトン刑事を廃工場に呼びつけ、そこで殺害する。
ドルトンの後頭部を鉄パイプで執拗に殴りつけ、死に至らしめた。 - 殺害した現場に、アンダーが現れる。
アンダーは昔、ドルトン刑事に逮捕されたことがある。
街はずれでドルトン刑事を見かけ、見知っていた刑事だったこともあり、何気なく後を付けていた。 - アンダーは追い込まれたかわいそうな境遇にいる自分に酔い、性的興奮を覚える変態。
アンダーは過去にも数回ほど逮捕された過去がある。
ほとんどが誤認逮捕や、友達の罪を被っての逮捕だった。
アンダーが過去に逮捕されたとき、フォーシュン刑事も何度か関わっていた。
そしてフォーシュンは、自分から逮捕されることを望んでいるというアンダーの変態性癖に気づいた。 - ドルトン刑事殺害現場を見られたフォーシュンは、アンダーを口封じで殺害しようと考える。
しかし、試しに自分の身代わりになることをアンダーに強要してみた。
するとアンダーは「そうしないと殺すってこと? ああ、なんて僕はかわいそうなんだ!」と、股間を膨らませながら嘆いた。
その様子を見て、フォーシュンはアンダーを身代わりにできると確信する。 - アンダーはドルトン刑事を殺害した容疑で逮捕され、極悪人ばかりを集めた刑務所に収容される。
- 身代わりを喜んで引き受け、逮捕されたアンダー。
- しかし、アンダーが真実を喋ってしまうかもしれないと考え、フォーシュンはアンダーを監視するため、刑事をやめて監守へ転職した。
はい、課題を埋めました。
赤い部分が、課題の解決案。
ステップ2:ストーリーのプロットを作成する
では、裏側プロットも見ながら、ストーリーのプロットを作っていきましょう
プロット作成① 出来事を洗い出していく
ストーリーのプロットも、最初はストーリー内で起こる出来事を思うままに洗い出すところから始めます。
思うままに、ではありますが裏側プロットに書かれた謎を、
「どんな感じで主人公に解かせようかな」
「どんな感じで情報収集させようかな」
なんて考えながら進めると、やりやすいですよ
せっかく裏側プロット作ったんだから、大いに活用ぽよね
一応は例を示しますが長くなりますので、じっくり読まずにやり方だけ掴んでくださいね。
- 主人公のローニャは他人の欲望を見るのが大好きで、他人の欲望をぶち壊すことに性的興奮を覚えるドSの女性。
- 刑務監査官という特別な任務を持っているローニャ。
冤罪の可能性や囚人の現況調査の任務で、アンダーのいる刑務所へとやってきた。 - 監守のフォーシュンに案内されて、囚人たちのいる牢獄へ。
そこで、アンダーと出会う。 - アンダーの瞳に見え隠れする、ゆがんだ欲望に気づいたローニャ。
アンダーの欲望が何なのかを知りたくなる。 - アンダーが無実だと訴えてきた。
しかし、アンダーの瞳には冤罪特有の絶望感が見られず、無実というのが嘘だと指摘する。 - アンダーが無実だと訴えたのは、えん罪で牢獄へ入れられた可哀そうな自分をローニャに慰めてもらうことで、性的興奮を満たしたいから。
- アンダーが無実を訴えたことで、職務上、それが本当かどうかの調査を始めるローニャ。
- アンダーの容疑がドルトン刑事殺害ということを、調書で知る。
- アンダーに幾度も誤認逮捕や他人の身代わりによる逮捕歴があることを知る。
- アンダーから、ドルトン刑事殺害現場を目撃したときの様子を聞き出す。
アンダーによると、
過去にドルトン刑事に逮捕されたこともあり、街で見かけた際に何気なく後を付けた。
廃工場へと入っていくドルトンを見かけ、自分も中に入ると、すでに殺害されたドルトンの死体があったとのこと。 - アンダーは「冤罪なのに牢獄にいれられて、僕はかわいそうだ」とローニャに訴える。
そこでローニャは「もしもそれが本当だとしたら、あなたは可哀そうだ」と慰める。
するとアンダーは興奮し、悶えながら喜ぶ。
その様子を見たローニャは、アンダーが「可哀そうな自分に酔いしれる」というドM性癖を持っていることを見破る。 - アンダーがそういう性癖なら、冤罪特有の絶望感がないのも納得。
- しかし、そうなると真犯人は別にいる、ということになる。
どうやって真犯人を見破るか? - 真犯人がフォーシュンだと知る。
どうやって知るか? - ドルトン刑事を殺した現場をアンダーに見られ、アンダーの性癖を利用して身代わりを立てた経緯をフォーシュンが語る。
- フォーシュンに殺されそうになるローニャ。
- ローニャは実は強くて、フォーシュンを返り討ちにする。
はい、洗い出しました
赤い部分は、課題です
プロット作成② 構成を考えながら出来事を並べ替える
では、洗い出した出来事を並べ替えましょう
裏側プロットと違い、時系列ではなくて構成(ストーリーの流れ)をどうするかを考えながら並べ替えます。
ストーリー構成どおりに並べ替え
- 主人公のローニャは他人の欲望を見るのが大好きで、他人の欲望をぶち壊すことに性的興奮を覚えるドSの女性。
- 刑務監査官という特別な任務を持っているローニャ。
冤罪の可能性や囚人の現況調査の任務で、アンダーのいる刑務所へとやってきた。 - 監守のフォーシュンに案内されて、囚人たちのいる牢獄へ。
そこで、アンダーと出会う。 - アンダーの瞳に見え隠れする、ゆがんだ欲望に気づいたローニャ。
アンダーの欲望が何なのかを知りたくなる。 - アンダーが無実だと訴えてきた。
しかし、アンダーの瞳には冤罪特有の絶望感が見られず、無実というのが嘘だと指摘する。 - アンダーが無実を訴えたことで、職務上、それが本当かどうかの調査を始めるローニャ。
アンダーから、ドルトン刑事殺害現場を目撃したときの様子を聞き出す。
アンダーによると、
過去にドルトン刑事に逮捕されたこともあり、街で見かけた際に何気なく後を付けた。
廃工場へと入っていくドルトンを見かけ、自分も中に入ると、すでに殺害されたドルトンの死体があったとのこと。 - ドルトン刑事殺害の容疑でアンダーを逮捕したのはフォーシュン刑事だと聞かされる。
そして、フォーシュンが過去は刑事だったことを知る。 - ドルトン刑事殺害の調書で、フォーシュンが逮捕したことが真実だと調書で知る。
また、ドルトン刑事殺害が鉄パイプによるものだと知る。 - アンダーに幾度も誤認逮捕や他人の身代わりによる逮捕歴があることを知る。
- アンダーは「冤罪なのに牢獄にいれられて、僕はかわいそうだ」とローニャに訴える。
そこでローニャは「もしもそれが本当だとしたら、あなたは可哀そうだ」と慰める。
するとアンダーは興奮し、悶えながら喜ぶ。
その様子を見たローニャは、アンダーが「可哀そうな自分に酔いしれる」というドM性癖を持っていることを見破る。 - アンダーが無実だと訴えたのは、えん罪で牢獄へ入れられた可哀そうな自分をローニャに慰めてもらうことで、性的興奮を満たしたいから。
- アンダーがそういう性癖なら、冤罪特有の絶望感がないのも納得。
- しかし、そうなると真犯人は別にいる、ということになる。
どうやって真犯人を見破るか? - 真犯人がフォーシュンだと知る。
どうやって知るか? - ドルトン刑事を殺した現場をアンダーに見られ、アンダーの性癖を利用して身代わりを立てた経緯をフォーシュンが語る。
- また、ドルトン刑事を殺した動機も語る
- フォーシュンに殺されそうになるローニャ。
- ローニャは実は強くて、フォーシュンを返り討ちにする。
とりあえず、課題は残ったままですが、ストーリー構成順に並べ替えました。
裏側プロットでは時系列に並べ替えていたぽよ
今回は違うのかぽよ
ストーリーのプロットなので、構成にそって並べ替えるといいですね
ストーリーって基本的には時系列で進みますけど、場合によっては後に起こる事件の一部を先に見せてから本編が始まるものもあるでしょう。
そういえば、ストーリーの途中で過去偏があったりするものもあるぽよね
そうですね
まずは時系列で並べてみて、ストーリー的に単調だなって思ったらインパクトのあるシーンを冒頭に持っていったり、過去の話は途中に持っていったりしましょう
単調なストーリーを解決する方法については、以下の記事で解説してますので、ご参考まで。
プロット作成③ 課題の対策案を考えてプロットを整える
では、課題の対策案を考えて、プロットをいったん完成の状態にしましょう。
また、事件解決の決め手になる伏線なんかも入れてみましょう。
課題を解決させてプロットを整える
- 主人公のローニャは他人の欲望を見るのが大好きで、他人の欲望をぶち壊すことに性的興奮を覚えるドSの女性。
- 刑務監査官という特別な任務を持っているローニャ。
冤罪の可能性や囚人の現況調査の任務で、アンダーのいる刑務所へとやってきた。 - 監守のフォーシュンに案内されて、囚人たちのいる牢獄へ。
そこで、アンダーと出会う。 - アンダーの瞳に見え隠れする、ゆがんだ欲望に気づいたローニャ。
アンダーの欲望が何なのかを知りたくなる。 - アンダーが無実だと訴えてきた。
しかし、アンダーの瞳には冤罪特有の絶望感が見られず、無実というのが嘘だと指摘する。 - アンダーが無実を訴えたことで、職務上、それが本当かどうかの調査を始めるローニャ。
- アンダーから、ドルトン刑事殺害現場を目撃したときの様子を聞き出す。
アンダーによると、
過去にドルトン刑事に逮捕されたこともあり、街で見かけた際に何気なく後を付けた。
廃工場へと入っていくドルトンを見かけ、自分も中に入ると、すでに殺害されたドルトンの死体があったとのこと。 - ドルトン刑事殺害の容疑でアンダーを逮捕したのはフォーシュン刑事だと聞かされる。
そして、フォーシュンが過去は刑事だったことを知る。
ドルトン刑事殺害の調書で、フォーシュンが逮捕したことが真実だと調書で知る。
また、ドルトン刑事殺害が鉄パイプによるものだと知る。
調書によると、後頭部を後ろから2回、倒れた被害者の後頭部をさらに3回殴打したという供述があった。
その後の検視結果が供述と一致しており、裏もとれている。(伏線) - アンダーに幾度も誤認逮捕や他人の身代わりによる逮捕歴があることを知る。
- アンダーは「冤罪なのに牢獄にいれられて、僕はかわいそうだ」とローニャに訴える。
そこでローニャは「もしもそれが本当だとしたら、あなたは可哀そうだ」と慰める。
するとアンダーは興奮し、悶えながら喜ぶ。
その様子を見たローニャは、アンダーが「可哀そうな自分に酔いしれる」というドM性癖を持っていることを見破る。 - アンダーが無実だと訴えたのは、えん罪で牢獄へ入れられた可哀そうな自分をローニャに慰めてもらうことで、性的興奮を満たしたいから。
- アンダーがそういう性癖なら、冤罪特有の絶望感がないのも納得。
- しかし、そうなると真犯人は別にいる、ということになる。
どうやって真犯人を見破るか?
⇒アンダーは検視結果が出る前に、ドルトン刑事殺害方法を細かく供述していた。
それはつまり、殺害される瞬間も目撃したことになり、犯人を知っているということ。 - 真犯人がフォーシュンだと知る。
どうやって知るか?
⇒アンダーに真犯人は誰か、と問う。
アンダーは「君の後ろにいる」とつぶやく。ローニャの後ろにはフォーシュンが立っていた。 - ドルトン刑事を殺した現場をアンダーに見られ、アンダーの性癖を利用して身代わりを立てた経緯をフォーシュンが語る。
- また、ドルトン刑事を殺した動機も語る
- フォーシュンに殺されそうになるローニャ。
- ローニャは実は強くて、フォーシュンを返り討ちにする。
最後らへん、だいぶはしょりましたが、ひとまずプロットを整えました。
これで完成ぽよね
いやいや、まだですよ~
疲れるぽよ
ミステリーはプロットが命ですぞ!
ちなみに、この段階で伏線を入れることも意識するわけですが、伏線の貼り方については以下の記事が参考になります。
ステップ3:ストーリーのプロットをチェックする
ストーリーのプロットを整えたら、解かれていない謎がないか、矛盾がないかをチェックしていきましょう
で、ステップ1で作成した裏側プロットが、チェックリストの役割を果たすのです。
裏側プロットに書かれた謎が、ストーリーの中でちゃんと明かされているかをチェックしていくわけですよ。
裏側プロット | ストーリーで 明かされているか |
---|---|
麻薬横流しをしていたフォーシュンだったが、 そのことをドルトン刑事に感づかれてしまう。 | OK |
フォーシュンはドルトン刑事を廃工場に呼びつけ、 そこで殺害する。 ドルトンの後頭部を鉄パイプで執拗に殴りつけ、 死に至らしめた。 | OK |
殺害した現場に、アンダーが現れる。 アンダーは昔、ドルトン刑事に逮捕されたことが ある。 街はずれでドルトン刑事を見かけ、見知っていた 刑事だったこともあり、何気なく後を付けていた。 | OK |
アンダーは追い込まれたかわいそうな境遇にいる 自分に酔い、性的興奮を覚える変態。 アンダーは過去にも数回ほど逮捕された過去がある。 ほとんどが誤認逮捕や、友達の罪を被っての逮捕 だった。 アンダーが過去に逮捕されたとき、フォーシュン 刑事も何度か関わっていた。 そしてフォーシュンは、アンダーが自分から逮捕 されることを望んでいる変態性癖に気づいた。 | OK |
ドルトン刑事殺害現場を見られたフォーシュンは、 アンダーを口封じで殺害しようと考える。 しかし、試しに自分の身代わりになることを アンダーに強要してみた。 するとアンダーは「そうしないと殺すってこと? ああ、なんて僕はかわいそうなんだ!」と、股間を 膨らませながら嘆いた。 その様子を見て、フォーシュンはアンダーを身代わ りにできると確信する。 | OK |
アンダーはドルトン刑事を殺害した容疑で逮捕され、 極悪人ばかりを集めた刑務所に収容される。 | OK |
身代わりを喜んで引き受け、逮捕されたアンダー。 しかし、アンダーが真実を喋ってしまうかもしれ ないと考え、フォーシュンはアンダーを監視するため、 刑事をやめて監守へ転職した。 | OK |
こうすることで、漏れている謎もすぐにチェックできます。
解かれていない謎が残っているってことは、読者目線だと「あれ? でもこれってどういうこと?」みたいな状態になっているってことですからね。
裏側の出来事は全部ストーリーの中で回収させましょう。
チェック用に別で用意したいもの
ストーリーのプロットは構成順に並べたものですが、それとは別で時系列に並べたもの、かつ日付を添えた管理表みたいなものも作っておくとよいです。
ストーリーのプロットみたいに細かいことを書かなくてもいいので、以下のようなやつをエクセルなんかで管理しておくとよいでしょう。
時系列的な矛盾も避けることができますし、ストーリー内で起こる出来事が整理できて全体が把握しやすくなります。
日付 | 出来事 |
---|---|
数年前① | アンダー、何度も誤認逮捕される |
数年前② | ドルトン殺害。アンダーが逮捕される |
数年前③ | フォーシュン、監守になる |
7月1日(木) | ローニャ、刑務所へ アンダーと出会い、無実と聞かされる |
7月2日(金) | 調書を取り寄せて、過去の事件を知る |
7月3日(土) | 再びアンダーと会話。フォーシュンが真犯人だと知る |
今回の例は短めのミステリーなので、ここまで作る必要もないかなって思いますが、長編ミステリーの場合は、これがないと頭の中がごちゃごちゃしちゃう場合もありますから。
必須とまではいかないですが、おすすめです。
ステップ4:文章を書きながらプロットを微調整
プロットを完成させたら、いざ文章を書きますよね。
だけど文章を書いているうちに、謎解きの証拠を見つける上手いやり方だったり、こういう動機の方がいいんじゃないか、みたいなことが浮かんでくることもあるでしょう。
または、この部分が足りてなかったとか、伏線が足りていないなどなど、不足や矛盾に気付くこともあるかもしれません。
プロットを作ってチェックまでしたのに、それはないぽよ
まあ人間ですもの
なので、文章を書きながら後からいいアイデアが浮かんだり不足分が見つかったりしたら、プロットにもしっかり反映させてください。
そして、事件の全体をもう一度チェックして、追加したことによる新たな矛盾や課題がないかを確認しましょうね。
他のジャンルなら、まだ頭の中で覚えていられるかもしれませんが、ミステリーの場合はちゃんとチェックしないと思わぬ矛盾が生まれていても気づけないことが多いですから。
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まとめ
今回の解説内容
- ミステリーにおけるプロットの重要性
- ミステリーのプロット作成4ステップ
ステップ1:事件の裏側のプロットを作成する
ステップ2:ストーリーのプロットを作成する
ステップ3:ストーリーのプロットをチェックする
ステップ4:文章を書きながらプロットを微調整
どんなジャンルでも謎解き要素は必ずあるけど、ミステリーは謎解きそのものが醍醐味ぽよ
解くべき謎が他のジャンルに比べてたくさんあるので、破綻や矛盾が生まれやすいのです
だから、ミステリーは他のジャンルに比べてプロットがとても重要だし、かなり作りこんだプロットが必要になってきます。
ミステリーのプロット作成手順のステップ1は裏側のプロットを作成ぽよ
ストーリーの流れを作りこむ前に、
- 犯人の動機
- 被害者や容疑者たちの関係性
- 事件が起こるきっかけとなった過去の出来事
- 犯行に使われたトリックの全貌
などなど、まずは探偵役が解くべき謎を先に作っておきましょう。
裏側プロットの作り方の手順は、
①まず裏側で起きた出来事を洗い出していきます。
②次に、洗い出した出来事を時系列に並べます。
③最後に、時系列に並べたときに出てきた課題の対策案を考えて、裏側プロット完成です。
ステップ2はストーリーのプロットを作成ぽよ
裏側プロットで謎をどのように解いていくかを考えながら、冒頭や結末の展開などを洗い出していきましょう
ストーリーのプロットは、
①まず出来事を洗い出していきます。
②次に構成を考えながら出来事を並べ替えます。
③そして、並べ替えたときに出てきた課題の対策案を考えてプロットを整えます。
でも、これで完成じゃないぽよ
作成したストーリーのプロットが裏側プロットで洗い出した謎をすべて網羅しているか、をチェックします。
裏側プロットがチェックリストの役割を果たすわけです。
ここまでできたら文章に突入だけど、文章を書きながらも、文章を書き終わった後も、プロットの微調整はやっていくぽよ
文章を書いていく過程で、ほぼ必ず伏線や新たな謎などのいいアイデアが浮かんだり、足りていない説明やストーリー上の矛盾に気づいたりします
そうなった場合、文章は当然直すでしょうけど、さらにプロットもきっちり修正してください。
そして、修正したプロットの全体を見渡して、新たな矛盾が生まれていないかもチェックしましょう。
ミステリーは他のジャンルに比べて、謎解きが最大の醍醐味です。
だから、矛盾や説明不足がないか、特に気を使いましょう。
では、これらのことを意識して、ハラハラドキドキするミステリーを生み出してみてください。
おつかれさまでした
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