【小説の書き方】文体を分かりやすく解説。作風と合っていないと読者を逃す

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小説講座

今回は作品の雰囲気に大きな影響をあたえる「文体」について解説します。

こんな人に読んでほしい
  • 文体ってなに?
  • 文体がよくわからず、読者を逃しているかも
  • ジャンルと合っていない文体になってしまっている人(割といる)

どういったジャンル、物語を書くかによって、意識しないといけないのが文体です

これを意識せずに、自分の書こうとしている作品とアンマッチな文体で文章を書いてしまうと、誰にも読んでもらえない作品になってしまいます。

文体の重要性をしっかり理解し、自分の作品にあった文体を意識しましょう。

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文体とは?

なんだか小難しそうな言葉ぽよ

「文体」で検索すると、夏目漱石がどうだとか文豪の文体はどうだとか、確かに小難しそうなページに辿り着きますね

でも、そんな難しい話じゃないんですよ

  1.  とけいがなります、ボーンボーンボーン。
     よるはおばけのじかんです。
  2.  壁にかけられた時計の鐘が、重苦しく鳴り響いた。
     夜中の十二時は、幽霊が目覚める時間だと言われている。
  3.  ボーンボーンボーン。壁にかけられた古時計が、十二時になったことを誰にともなく告げてきた。
     やばいやばいヤバイ! やつらが目覚める時間だ

同じシーンだけど、文章はそれぞれクセがありますでしょ

1は絵本、2は文芸、3はライトノベルといったところかぽよ

だいたいそんな感じです
これが文体ですね

つまり、文体っていうのは文章の特徴やクセ、文章スタイルのことです。

また、文体は文章のリズムとも深い関係があります。

というか、リズム=文体って言ってしまってもいいかもですね。

どういうことぽよ?

ほら、作家さんによって、一文の長さや句点の打ち方、句点の数が違うでしょ

文章のリズムっていうのは、そういった作家さんそれぞれのクセによって生まれるわけですね。

クセ、つまり文体ってわけですよ。

  1.  鐘の音が鳴り響いた。
     夜中の十二時を告げる音だ。幽霊が目覚める時間だと言われている。
  2.  壁にかけられた時計の鐘の音が、重苦しく鳴り響いた。
     夜中の十二時は幽霊が目覚める時間。そんな噂を思い出し、悪寒が背筋をなでる。
  3.  唐突な鐘の音に体が硬直し、全身の毛が逆立つ。ハツカネズミの鼓動のごとく、私の心臓が速く激しく伸縮を繰り返す。鐘の音が鳴る方を振り返ると、暗い壁にぶら下がる、古い大時計が視界に映った。時計の短針と長針が重なった状態で、真上を指している。

3種類の文芸風の文章を書いてみました
リズムがそのままクセを生んでいるでしょ

1は事実を淡々と語るタイプ。

2は事実に心理描写を混ぜてくるタイプ。

3は心理描写を前面に押し出してくるタイプ。

どれがいい例ぽよ?

どれも別に悪くないです
ただ、3は個人的に、読むのめんどくさ!
って思っちゃいますけどね

でも、どちらが良い悪いというより、これはもう好みの問題ですよ。

ただ、一般的に良いリズムにするコツというのは存在しています。

作品のジャンルや作風に文体を合わせよう

文体は作者の文章のクセなので、一概に良い悪いを判断するのは難しいです

ただし、ジャンルや作風によって「こういう文体はNG」っていうのは、はっきりしています。

漫画で例えてみましょう。

小説の文章力は、漫画でいうところ画力だと言われたりします
「文章力=画力」なら、文体は漫画でいうところの何でしょうか

「絵柄」かぽよ?

そのとおり
ターゲットが女子中学生くらいの「俺さま系壁ドン男子に恋する女の子の話」を、ジョジョやワンピースの絵柄で描いても、まあ読まれないでしょ

男子が好きなバトル漫画を、目がキラキラした少女漫画の絵柄で描いても、売れなさそうぽよね

画力が高ければいいってもんじゃないってことは、もう明白ですね。

これが小説にも、そのまま当てはまります。

それを踏まえて、作品と文体の相性を考えてみましょう。

相性のいい文体は、以下によって変わります。

  • 作品のジャンル
  • 作品の投稿先
  • ターゲットとなる読者層

特に「読者層」が、文体を考えるうえで最も大事な要素です。

作品のジャンル、投稿先も、結局のところ「読者層」によって決まるものですからね。

作品のジャンルで文体を考える

例えば絵本なのに太宰治の小説みたいな文章で書かれていたら、誰が読むかって感じです

逆に、ある男の哀愁を描いた純文学的なストーリーなのに、ライトノベルのような軽い文章で書かれていたら、誰が読むかって感じですね

つまり、作品のジャンルに文体を合わせなければ、どんなに文章力が高くても誰にも読んでもらえないのです。

医療系ミステリー作家「知念実希人」先生は、文芸とライトミステリーの両方を書かれています。

文体はどうなっているぽよ

ライトミステリー「天久鷹央の推理カルテ」は、文体も軽めで読みやすく、コミカルな部分も多いです


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実写映画化された「仮面病棟」は文体も重めで、常に文章から緊張感が漂っています


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このように、同じ作家が書いた文章でも、ジャンルによって文体をきっちり書き分けているのです。

絵本の文体
  • あえて幼稚な文章にする
  • 一文を短くして、漢字を開きまくる
ライトノベルの文体
  • 面白いか、読者の好みに寄り添っているかが大事。文章力はさほど重要ではない
  • 軽い文やノリ、今風の表現や流行りを意識した言葉がベスト
ライト文芸の文体
  • 文章の技術を大事にして、文章ルールも守る
  • 軽すぎず重すぎない、ある程度コミカルな文章がよい
  • 文芸に比べて、一人称によるセリフ口調が強め
文芸の文体
  • 文章の技術を大事にして、文章ルールを厳守
  • 文体で作品の雰囲気を表現する
    サスペンスなら重い文章、恋愛なら綺麗な文章、ヒューマンドラマなら哀愁ある文章など
純文学などの文体
  • 文章の技術を大事にして、文章ルールを厳守
  • 情景や心理描写を巧みな言葉で表現し、ストーリー以上に文章そのものに味わいを

作品の投稿先で文体を考える

極端な話ですが、「野生時代」や「新潮」「すばる」といった文芸誌の新人賞に、異世界系のライトノベルを投稿とかwww

急に草生やしてきたぽよ

逆に「電撃」「GA文庫」や「ファンタジア大賞」といったラノベ系に文芸とかwww

まあ、そうなるぽよね

また、ライトノベルでも「電撃」と「小説家になろう」「カクヨム」といったWEB小説では、文体に違いがあるように感じます。

「小説家になろう」「カクヨム」のほうが、より軽い文体になっている気がするんですよね。

はっきりとは言えませんが、「小説家になろう」「カクヨム」の方は

審査員より先に一般読者に読まれることや、

読者の反応を見ながらストーリーを微調整するというWEB小説の特性があるから、

さらに軽い文章になるかもですね。

ちなみに私はカクヨムユーザでもあるんですが、文芸に近い小説をカクヨムに投稿して、ほとんど読まれずため息をついている投稿者を結構見てきました。

文章力がいかに高かろうが、軽いノリを好む読者が多いカクヨムでは、まあ読まれないですよね

お主の作品はどうなのかぽよ

私の作品もライト文芸のミステリーを投稿していたんで、カクヨムではあんまり人気は出ない文体ですね

投稿先の過去大賞作品を読んでみて、自分の作品の文体に合っているかチェックしましょう。

ターゲットとなる読者層で文体を考える

漫画でも少年漫画と少女漫画じゃ、読者層がまったく違いますよね

小説も同じなのは、これまでの説明でわかりましたでしょう。

ところで、ライトノベルが好きな読者と文芸が好きな読者は、なんとなくバチバチしている感じがします

仲が悪いのかぽよ

まあ、一部の方々ではありますけどね

文芸を好む読者の一部からは、ライトノベルは文章が稚拙で読む気になれない、と言われることがあります。

一方、ラノベなど、エンターテイメントを好む読者の一部からは、文芸は雰囲気だけで何が面白いのか分からない、という意見が出ることもありますね。

小説の実写映画を「雰囲気映画」と言ってディスっているスレを見かけるぽよね

つまり、そのくらいはっきり読者層の好みが分かれているので、文体が好みじゃなければ読まれないこと必至!

というわけです

なので自分が書こうとしている作品のターゲット層を意識して、読者が好む文体にする必要があるのですね。

自分が好きな文体を書けばいいぽよ

もちろん、それでOKですよ
ただ、そうするなら自分の好きな文体にあった読者層をターゲットにしましょう

我那覇がオススメする文体

言葉に味わいを持たせて、心理描写や情景描写を巧みな言葉で綴りたい!

そう思っているのなら、純文学のような文学的な文体を書くべきでしょう

いやいや、美少女ハーレム、チート無双!
会話も多くしてノリがいい作品のほうが面白いに決まってる!

このタイプならライトノベルの軽い文体ぽよね

このように、はっきり書きたいジャンルが決まっているなら、そのジャンルに合わせた文体を書くようにすればよいと思います。

そうではなく、

エンターテイメント性の高い話も好きだし、ラノベもいいよね
純文学も嫌いじゃないな~。
ヒューマンドラマも、味わいがあって面白いよね

という、私のようなどっちつかずな雑食タイプの人は、断然ライト文芸のジャンルでよく見られる、重すぎず軽すぎない文体をオススメします!

お主が好きなだけじゃないかぽよ

それもありますねー
でもね

「重すぎず軽すぎず、文章の技術やルールはしっかりと」

この系統の文体はライトノベルと文芸、どちらにも通じるので便利ですよ。

私はライトノベルのコンテストで受賞を経験していますし、文芸に近い新人賞でも一次審査を通過しています。

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まとめ

今回の解説内容
  • 文体とは?
  • 作品のジャンルや作風に文体を合わせよう
    作品のジャンルで文体を考える
    作品の投稿先で文体を考える
    ターゲットとなる読者層で文体を考える
  • 我那覇がオススメする文体

文体とは文章の特徴やクセ、文章スタイルのことぽよ

文章のリズムによっても文体が異なるので、作家によって文体は様々です

ジャンルや作風で、NGの文体ははっきりしているぽよ

文芸なのにラノベのような軽い文体だと、誰も読みません
逆にラノベなのに文芸のような重い文体だと、誰も読みません

文章力は漫画でいうところの画力、文体は絵柄に相当します

いくら絵が上手くたって、北斗の拳のような濃い絵柄で少女漫画の恋愛を描いても、読まれないのと同じです。

それはある意味、読んでみたいぽよ

このように、ジャンル、投稿先、ターゲットとなる読者層によって、良いとされる文体は異なります

これらのことを意識して、自分の文体に合ったジャンルや投稿先、読者層を想定しましょう。

おつかれさまでした

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